2011年11月19日土曜日

ギネス・ストアハウス1

ギネス・ストアハウス




イギリスでは、永年エールにグルート(その土地で比較的入手しやすい複数のハーブを粉砕
し配合したもの)を使っていたため、ホップを排斥する傾向がありました。15世紀になり、
ホップの使用を許可されましたが、当時はホップを添加したものを「ビール」と呼び、グル
ートを使用したものを「エール」と呼んで区別していました。ホップを使用したビールが
イギリスに普及するは17世紀に入ってからで、その頃になってやっと、エール醸造者の中で
ホップを使うものが次第に増えてきたのです。18世紀に硬水ではなく軟水で醸造される、
焙煎し焦がした麦芽の芳香とホップの苦さが味わえる「ポーター」というビールが登場します。
当時、よく飲まれていたエールが3種類ありましたが、それをブレンドして飲むのが人気でした。
パブでは、注文の都度ブレンドしていましたが、店にとってはとても面倒でしたからブレンド
したビールを樽に詰めて販売しました。これがポーターの誕生です「ポーター」という名前の
語源としては、「ポーター」という港の荷物運び労働者の人気を博したから、または、ロンドン
の醸造家ラルフ・ハーウッドがビール樽を届ける時にポーター(持ってきた)とか、テムズ川で
ロンドン市内まで運ばれた物品を市内各所に配送していた人々(ポーター)が好んで呑んだとか、
ロンドンのコベントガーデンやバイリングスゲートの門番ポーターがその黒い「エール」をよく
飲んでいたためなど諸説あります。ロンドン・ポーターはアイルランドにも広まります。当時
地元アイルランドのポーターはロンドン・ポーターに押されていましたが、そんな中で躍進した
のが、1759年にダブリンで創業したギネス社です。ギネス社はポーターを徹底的に研究し、19
世紀にはポーター専業を宣言。ポーターの中でもアルコール度数の高いものは「スタウト・ポー
ター」と呼ばれ、1920年から「スタウト」と呼ばれるようになった。「強い」という意味を持つ
「スタウト」、この「スタウト・ポーター」はロンドンにも流出、大人気となります。ギネス社
はこれにさらに手を加えて、独自の「スタウト」を売り出しギネス社が生み出した「スタウト」
の製法は一つの手本として確立しました。

スタウト(stout)は、ビールのスタイルの一つで、黒くなるまでローストした大麦(モルト
とは限らない)を使用し、上面発酵によって醸造されるもの。